
春。卒業する人、就職する人、引っ越した人、仕事を辞める人、仕事を変えた人、今いる場所に根をおろしてみる人、みんなそれぞれいろんな転機になる時期だと思います。日差しがだんだん暖かくなる、その一歩手前の、まだ空気がちょっとつめたい、春のすこし前。新しいことが始まるかもしれない。ちょっと不安だったり、わくわく、ざわざわ、そわそわするような。
いざ春がくると、ぶわっと押し流されてしまう、「春のすこし前」のことは、自分自身もいつの間にか忘れてしまうから。これからの抱負ややりたいことというよりは、いまの自分たちがどんな暮らしをして、何を考えているのか、なるべくそのままの言葉を残してもらいました。
「きっと書かなかったら忘れてしまったいちにちかもしれないし、それでもわたしにとっては本当に大切な一日だったから、アンソロジーはきっと私の宝物になります。」―寄稿者からの言葉
表現方法は、日記に限らず自由としました。日記、エッセイ、短歌、詩、インタビュー記事、散文、遺失物届など、さまざまな形のテキストが集まりました。
▼タイトル・著者一覧
Supermarket Flowers / 彩
曖昧な空 / 水槽
3月の記憶といま / Yoko
2ヶ月分の荷物と期待と不安をスーツケースに詰め込んだ/ ゆめか
心地よい春の香りを / Mee
いつかの春のために / 坂口彩夏
花も実もある / 桜田実和
好きだけど、全部は好きじゃない / chiho
ジャムの蓋は自分で開ける / 風音
勝手な孤独 / こころ
春まで二度寝 / こよみ
静かな時間 / Azuki
春のせせらぎ / なつ
春になったら / れい
あまいしょっぱいにがいすっぱい / サチヲ
牛乳ください。/ 食用菜っぱ
遺失物届 / 萌乃
湯が沸くまで・ふたりで大丈夫 / A3
光の方へ / 水川粥
立って半畳寝て一畳、次の住まいも六畳間 / 竹花青藍
ぬるい気持ち / みおな
日々の重なりのなかで / かなう
ぱんつを履くわけ / 星野ぱんつ
表紙イラスト:@___gomame
写真:@mei.miyashita_
印刷・製本:ペーパー工房金子 @paperkouboukaneko